埋め立て比率の削減が求められる
Hitz日立造船株式会社は、2016年5月23日、スイスに拠点を置く子会社のHitachi Zosen Inova AG(以下、HZI)の乾式嫌気性発酵技術「Kompogas」が、イタリアで建設を予定する欧州最大のバイオガスプラントに採用されたと発表した。
欧州では、1999年に採択された「Landfill Directive(埋め立て規制に関する指令)」により一般廃棄物の処理に対して埋め立て比率を削減する必要があり、ごみ焼却発電やバイオガス化へのニーズが高まっている。
HZIはごみ焼却発電プラントの設計、建設、保守などの事業を展開しており、スイス社のAxpo Kompogas Engineering AGの保有していた「Kompogas」を2014年に買収した。
バイオガスと堆肥を生産
このたびのバイオガスプラントの建設は、ボローニャ近辺で発生する有機廃棄物をメタン発酵技術で処理する計画で、イタリアのごみ処理事業者、HERAmbiente SpAが廃棄物処理プラントの建設会社、Cesaro Mac. Import(以下、CMI)に発注したもの。
CMIは「Kompogas」のイタリアにおける独占的ライセンシーで、最終建設許可を取得後、7月から着工する。HZIは「Kompogas」の主要機器として鋼製のメタン発酵槽4基を秋頃に納入し、2018年6月に竣工する予定である。
同プラントは、年間10万トンの有機廃棄物から14,287,000ノルマルリューベ、約5.000世帯分に相当するバイオガスと、年間3万トンの堆肥を生産する。ガスはガス供給網で市内に供給されるためCO2発生量の削減に貢献し、堆肥は農場や園芸用品店に販売されることになる。
Hitz日立造船株式会社 プレスリリース
http://www.hitachizosen.co.jp/news/2016/05/002159.html