ストリングインバータとマイクロインバータには課題
株式会社村田製作所は、2016年6月22日、太陽光発電向けに出力1kWを確保したミニインバータを開発したと発表した。
一般的な太陽光発電ストリングインバータは、ストリング設計や配線工事が複雑なため、施工やメンテナンスが難しい。影に影響されやすいなどの環境耐性の低さや発電量の減少、発電停止、短寿命なども課題に挙げられる。
米国で活用が広がっているマイクロインバータはこれらの課題を克服しているが、新たな課題として、コストの高さ、変換効率の低さ、電力事業者と発電設備設置者間で共有する技術的要件(系統連系規程)に対応しきれていない点がある。
小型、長寿命、高発電量を実現
同社は開発したミニインバータで、ストリングインバータとマイクロインバータの利点を融合させている。回路方式に高効率マルチレベル回路技術を用いたことで小型・薄型・軽量のコンパクト設計と密閉構造を有し、省スペース化と耐環境性により設置範囲を拡大した。
小型で1kW出力を備えているため、最適な分散化システムの構築や単位ごとの管理ができ、施工しやすく故障箇所の特定も容易になった。影や向きによる発電低下やパネル故障の影響を回避する高発電量や高い電力変換効率も特長である。
設計寿命は太陽光パネルと同等の20年間で、容易な施工やメンテナンスと共に、太陽光発電システム全体のコスト削減を実現している。
開発品は「PV Japan2016」(2016年6月29日~7月1日・パシフィコ横浜)に展示される。同社は2017年度中の量産開始を予定している。
(画像はプレスリリースより)
株式会社村田製作所 ニュースリリース
http://www.murata.com/PV Japan2016
http://www.jpea.gr.jp/pvj2016/