ブラジルの燃料事情
日立オートモティブシステムズ株式会社(以下、日立オートモティブシステムズ)は、2016年6月24日、フォルクスワーゲン社(以下、VW)がブラジル連邦共和国(以下、ブラジル)で生産する自動車車両に、同社の開発した高圧燃料ポンプが採用されたと発表した。
1973年の石油危機以来、「国家アルコール計画」を実施してきたブラジルでは、エタノールを燃料とする車両が普及している。
現在では、同国のエタノール生産量は全世界の約3分の1に達し、その原料にはサトウキビやトウモロコシなどのバイオマスが用いられている。
ガソリンやエタノールなどを混合した1種類以上の燃料で走行する車両をフレックス燃料車というが、ブラジルで販売される自動車の約90%を占めている。
エタノール燃料車の課題に対応
エタノールを燃料とする自動車の場合、エタノールの腐食性や壊食性の高さから燃料機器が劣化しやすく、損傷を負いやすい点が課題となる。
このたび開発した高圧燃料ポンプは、部品の耐久性を高めるため材料選定を新たにし、液体シミュレーション技術によりポンプ構造を最適化すると同時に、脈動騒音の小さい構造を適用した。その結果、25メガパスカルの高燃圧と100%エタノール燃料(E100)に対応可能となり、静音化にも成功した。
日立オートモティブシステムズの高圧燃料ポンプは、日米欧などの先進国を中心に搭載されているが、今回の新製品は、新興国で事業展開するVWのニーズに即したものとなった。今後、ブラジルと同様の燃料事情を抱える、中国や新興国への浸透を図る。
(画像はプレスリリースより)
日立オートモティブシステムズ株式会社 ニュースリリース
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