米国などで普及
三井造船株式会社、三井造船マシナリー・サービス株式会社(以下、MZM)、三菱化学株式会社(以下、MCC)は、液用ゼオライト分離膜(以下、ゼオライト膜)の製造・販売を行うゼオライト膜事業に関する業務提携に合意したと、2016年7月14日に発表した。
バイオマス(トウモロコシやサトウキビなど)を原料とするバイオエタノールはカーボンニュートラルでCO2排出を抑制する燃料で、ガソリンへの添加も進む米国の他、ブラジルなど各国で需要が拡大している。
米国環境保護庁(EPA)は、コーンなどの可食原料由来のバイオエタノールが温室効果ガスのライフサイクル排出量を20%削減できるとして、生産量を倍増する計画を立てている。
無水化プロセス
米国で稼働しているバイオエタノールプラントは210基以上だが、多数のプラントで導入10年を経たPSAプロセスが設備更新時期を迎えているとされる。また、増産体制に向けて省エネ設備の導入を開始した生産者も多い。
バイオエタノールは、蒸留後の精製・無水化のプロセスにPSAプロセスを一般的に用いている。その代表がペレット状の汎用ゼオライトを使うA型ゼオライトである。
MZMが製造するA型ゼオライト膜は脱水能力が強く、工業用アルコールの溶剤回収システムやバイオエタノールの無水化プロセスに導入されている。MCCが開発したCHA型ゼオライト膜は耐水性・耐酸性が高く、溶剤回収システムや日本酒の濃縮用途に採用されている。
これらを組み合わせたZEBREXTM脱水システムは分離能と脱水力に優れ、PSAプロセスに置換することでコストの削減と増産が期待できる。今後、両社は、A型ゼオライトやハイブリッド脱水プロセスによるゼオライト膜事業の新規市場参入と拡販を目指していく。
(画像はプレスリリースより)
三井造船株式会社、三井造船マシナリー・サービス株式会社、三菱化学株式会社 プレスリリース
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