MOUを締結
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、ウズベキスタン共和国(以下、ウズベキスタン)に中・小型の高効率ガスタービンコージェネレーションシステム(以下、コジェネシステム)を導入する実証事業に同国政府と合意し、基本協定書(MOU)を2016年10月14日に締結した。
ウズベキスタンでは火力発電所10カ所とその内の3カ所の熱電併給所が国内の電力を供給している。現在、経済成長などに伴う電力需要増で供給量の確保が求められると同時に、老朽化した火力発電所の性能低下が顕著となっている。
同国は、発電量の増加と電力供給の分散化を図るため、発電施設の近代化や発電効率の向上に加え、2,000カ所超の熱供給所を熱電併給所に転換することを計画していた。
中・小型のガスタービンを普及
NEDOは今回の実証事業の実施に当たり、川崎重工業株式会社と丸紅ユティリティ・サービス株式会社を委託先とした。
両社は、ウズベキスタン・フェルガナ地区のウズベクエネルゴ社フェルガナ熱電併給所に17MW、同地区のRK3熱供給所に7MWの高効率ガスタービンコージェネレーションシステムを導入し、前者では熱電併給所の発電効率の向上とガスタービン排熱の有効利用を、後者では熱供給所の熱電併給化を行う。
中・小型のガスタービンがウズベキスタンに普及すれば、近傍からの電力供給が可能となり、送電距離の短縮で送電ロスも改善され、従来比38%の省エネ化と電力・熱の安定供給が見込まれる。今後、NEDOは、ウズベキスタンと同様に熱供給所を多数抱える周辺諸国に同システムを展開するかを検討するとしている。
NEDO ニュースリリース
http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100652.html