オゾン処理方法を開発
ユニ・チャーム株式会社は、2016年11月1日に鹿児島県志布志市と協定を締結し、使用済み紙おむつからパルプを再生する世界初の再資源化技術を活用した実証試験を同市で開始する。
大人用と子供用の紙おむつの生産量は2015年には218億枚、重さ81万トンに及んでいるが、排泄物の菌がリサイクルした製品に含まれる恐れがあり、ほとんどが使用後に焼却処理される。
同社は、使用済み紙おむつから回収した低質パルプに独自のオゾン処理を加え、紙おむつに不可欠な高分子吸収ポリマーを水と二酸化炭素に分解する方法を2015年に発表した。これは、木から取り出した新しいパルプ(バージンパルプ)と同等の、衛生的で安全な上質パルプへの再資源化を可能にする技術である。
事業化に向けて
志布志市は一般廃棄物のリサイクル率が市単位での全国1位を誇り、現在27品目を分別収集しリサイクルを行う。一方で、リサイクル率が76%に高止まりし、埋め立てごみを占めるおむつの割合も20%に達している。
同社は志布志市主体の「使用済み紙オムツ再資源化推進協議会」に参画。11月からのモデル収集で分別排出された使用済み紙おむつの収集を開始した。今後、再資源化に適した収集方法を検討する。
志布志市などの分別収集及び中間処理・保管を行う「そおリサイクルセンター」には、紙おむつの再資源化へのリサイクル技術を供与して実証試験を行い、よりリサイクルしやすい処理技術の共同研究を開始する。
これらの取り組みによりリサイクル品の品質・技術の精度を高め、規模を拡大した事業化の可能性判断を2017年3月までに実施し、2020年の本格事業化を目指す。
(画像はプレスリリースより)
ユニ・チャーム株式会社 ニュースリリース
http://www.unicharm.co.jp/