低炭素化社会に向けて
大成建設株式会社は2017年1月17日、国内で初めて、固体酸化物形大型燃料電池(SOFC)のスマートコミュニティへの活用を開始すると発表した。
二酸化炭素を発生せずに水素と酸素から電気と熱を生成するSOFCは低炭素社会を実現する一手となることが期待されている。
経済産業省は2014年に発表した水素・燃料電池戦略ロードマップで、大型燃料電池の導入・普及拡大を目指すフェーズ1(2017年~2020年)を掲げた。
固体酸化物形はリン酸形や固体高分子形より高効率の発電電力をもち、機体内部が高温となることから、連続運転による運用が最適。建物に適用するには、電力、熱を通年で有効活用する技術の開発が課題となっている。
SOFCを有効利用
今回、技術センターに導入されるSOFCは、三菱日立パワーシステムズ株式会社がNEDOの実証事業(固体酸化物形燃料電池等実用化推進技術開発事業)において開発・設置するもので、共同実施者の大成建設は、SOFCを導入し、SOFCの発電する電力と排出される排熱の有効利用に取り組む。
同社は、敷地内の複数建物にエネルギーを融通し、街区を想定したエリア全体での低炭素化を実現するため、横浜スマートシティプロジェクトで展開しているスマートコミュニティをさらに拡大する考えである。
さらに、広域に及ぶエリア内の建物群のエネルギーを一括管理、分析するエリアエネルギーマネジメントシステム(AEMS)を2017年度中に開発・導入し、エリア全体でのエネルギー使用量最適化を図る他、余剰電力を敷地外の保養所・社員寮などの電源に活用する電力自己託送も計画している。
(画像はプレスリリースより)
大成建設株式会社 ニュースリリース
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