経済発展と環境保護
8月15日付海外サイト「Europe1」ほか多数のサイトにおいてブラジルのベロモンテダムの建設差し止めのニュースを報じている。ベロモンテダムは完成すれば世界で第三位の規模となる巨大ダムであり、同国の経済発展を担う水力発電所として期待を寄せられていた。
一方でこのダムの立地を巡っては論争が絶えない。ベロモンテダムはアマゾン川の支流「シングー川」を堰き止めて作られ、完成すれば周辺の環境に及ぼす影響は大きく、特に川沿いに住む多くの先住民の生活様式を大きく変えてしまうおそれがあるからだ。
※画像はイメージです周辺住民への十分な説明が無かった
このダムは総工費が130億ドルともいわれ、すでに1万人以上の労働力が費やされたが、今週火曜日ブラジル連邦裁判所はダムの建設を中断するよう工事を請け負うコンソーシアム「Norte Energia」へ命じた。
2005年、ブラジル政府がベロモンテダム建設を承認する際にダム建設後の環境への影響を十分研究し、周辺の先住民へのコンサルテーションを怠らないことを要求していた。しかし今回裁判所は「工事前に周辺住民は十分な説明を受けていなかった」と判断し建設差し止めを言い渡した。
Norte Energiaは上訴することも可能だが、工事の再開のためには周辺の先住民たちへの議員による聞き込みは必須条件であるという。もし許可無く工事を再開するようなことがあれば、一日につき25万ドルという法外な制裁が課せられることになるという。
Europe1
http://www.europe1.fr/