クリーン自動車大国のタイトルを手にするのは?
温室効果ガスの排出削減のため、という大義名分もさることながら、「クリーン自動車大国」のタイトルを賭け日本同様ヨーロッパでも電気またはハイブリッド自動車の販売戦略が激化している。
※画像はイメージですEUの「3つの20」
海外サイト「consoGlobe」では欧州各国における電気、またはハイブリッド車の普及目標及び目標達成のための戦略と現状の分析についてレポートしている。
EU内には「3つの20」(正式にはle paquet énergie climat、または3 fois 20)という目標数値がある。これは今から2020年までに、温室効果ガスの排出を20%削減し、エネルギー効率を20%上昇させ、消費エネルギーの20%を再生可能エネルギーにシフトさせる、というものだ。この目標の達成のために注目されているのが内燃機関を動力源としない自動車、つまり電気自動車(ここではハイブリッドも含む)なのである。
代表的な3国の戦略と現状
しかし政府やEUの思惑とは裏腹に現実はなかなか厳しいようだ。イギリスでは2009年から2014年にかけ総額約320億円をクリーンな自動車のプロモーションに充てることになっており、電気またはハイブリッド自動車の購入には一台につき約25万円から約65万円の補助金を出すという戦略に出た。それにもかかわらず、該当車の価格があまりにも高額なことに加え、バッテリーの充電場所などのインフラ整備の遅れから販売台数は伸び悩んでいる。
ドイツでは今から2020年までに電気自動車を100万台導入し、さらに2030年までには500万台とすることを目標としており、この目標到達のために約20億円を計上している。ところが、やはりドイツでも電気自動車の価格がネックとなり、市場の拡大は困難なようである。
フランスの目標数値は、今から2015年までに45万台の電気及びハイブリッド車を導入し、2025年までには450万台にするというものである。クリーンな自動車の研究と開発、加えてバッテリーの充電箇所の整備のために約400億円を投じ、CO2の排出量の少ない自動車の購入には約50万円の補助金を出すなど、新たに該当の自動車の購入を検討している人には魅力的な内容である。
総括すると、電気自動車の販売拡大のカギを握るのは「価格」と「インフラ整備」のようであるが、どの国の戦略が最も効果的であるかは現時点での判断は困難なようである。
consoGlobe
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