ヨーロッパの伝統的な夜の光が消える?
8月26日付の海外サイト「L’Hebdo」ほか多数のサイトにおいて、スイス国内での白熱電球の販売が今月いっぱいで完全に終了することを報じている。
エコ照明と言われるLEDが長年親しまれてきた白熱電球に替わって新たな時代を築くのだろうか。しかしスイス国民は当面蛍光灯で省エネをしていくことになりそうである。白熱電球の出す光の色合いに比べると冷たい雰囲気である蛍光灯の光はあまり人気がない。省エネという観点で見れば有用であるとEMPA(スイス連邦材料試験研究所)は述べているが、水銀を含んでいる点で問題視されている。
※画像はイメージです蛍光灯の短所
ひとつの蛍光灯には最大で3.5ミリグラムの水銀が含まれており、破損してしまった際の処理には注意が必要だ。室内は十分に換気し、飛び散った欠片はすべて粘着テープ等で回収し分別して廃棄しなくてはならない。しかしOFSP(連邦内務省保険局)ではこの量なら中毒症状にまでいたることは稀である、との見解も示している。
OFSPではさらに心配な点として、蛍光灯が発する磁場と電界を挙げている。これらは我々の筋肉や神経組織に影響を与えると言われている。さらにバーゼル大学のモルモットの実験では蛍光灯の寒色系の光は体内時計に大きな影響を及ぼし、バイオリズムを乱してしまうおそれがあることが明らかにした。
LEDは依然高額
白熱電球の販売が終了するとは言っても、LED電球の価格はまだまだ高く、スイスの家庭内においてLEDがメインの照明器具としての立場を得るのは当面難しいようだ。専門家たちは数年後をめどにLED照明の普及を期待しているということだ。
L’Hebdo
http://www.hebdo.ch/