近畿大学研究者による養殖のクロマグロ
Ecologistが、近畿大学で実施されているマグロ養殖の試みが、将来的に海産資源を乱獲から守る有効な手段になるかも知れないと伝えている。
近大マグロと名付けられた新たなマグロのブランドが、東京や大阪などに出荷されている。これは、近畿大学の研究者によって管理された環境で生育した完全養殖モノだ。テクスチャーや栄養面では、天然モノとなんら変わりがないとのこと。
ただし、養殖プロセスはまだまだ高価な上に非効率的。そのため現時点では、1キロ当たりの価格がまだ天然のクロマグロよりも高価であるとのこと。
世界中で進む肉食性海水魚の養殖の試み
養殖される魚種は、マス、コイ、エビなどのような草食性の魚種が一般的でだ。しかし、近年のマグロの価格上昇などを受けて、多くの漁業従事者が海水魚養殖の可能性を探っている。現時点で市場で売買されている海水魚のおよそ7%が養殖魚であるとのこと。
マグロ養殖の試みは、食餌量や運動量の多さから非常に困難であり、これまで数々の失敗を繰り返してきた。野生のコンディションを再現し維持することはほとんど不可能なのである。
Ecologistは、マグロなどのような肉食魚の養殖が今後もっと発展していけば、陸上における食肉生産と同様の倫理面や安全性における問題も出てくることになると、警告も発している。
Ecologist
http://www.theecologist.org/News/news_analysis/1550441