コンピューターシミュレーションで都市緑化の効果を解析
カールスルーへ技術研究所(KIT)は、道路や建物壁面の緑化が都市の空気の質を明らかに改善する効果があるということを究明した。
米国のランカスター大学出身のトーマス・ピュー氏が率いるKITの気候学・気象学研究室のチームは、都市空間の閉ざされた空気とその中で起こる化学反応を検証するコンピューターシミュレーションを開発した。
このモデル使い、住宅地内の植物と大きな緑地や公園内の植物がそれぞれ都市空間の空気に与える影響についての解析が行われた。
もっとも効果が高いのは壁面緑化、次に交通量の少ない道路の街路植栽
スタディの結果、都市の空気の質にもっとも大きな影響を与えるのは、緑化された壁面だということが分かった。さらに交通量の少ない道路では街路植栽も壁面緑化に迫る好成績を出した。
植物は、空気中の窒素(NO2)と微細粒子(塵)をろ過していることは既に知られている。従来は、緑化された壁面による空気の質の改善はおよそ2%とされてきたが、このスタディによってその10倍もの改善効果があるということが分かった。
都市緑化は、ことに人口集中地域への導入が有意義だが、建物の緑化は工業国だけではなく、今後は発展途上国にも積極的に取り入れていく必要がある。世界保健機構(WHO)の発表によれば、世界中で毎年100万人以上が、大気汚染が原因で死亡しているのだ。
Weltfaelische Nachrichten
http://www.wn.de/Freizeit/Ratgeber/Umwelt/Umwelt-StadtgruenKarlsruher Institut fuer Technologie
http://www.kit.edu/index.php