森林伐採がもたらす脅威
5日、科学誌「Nature」に、アマゾン川流域での森林伐採の継続が壊滅的な降雨量の現象につながるという研究論文が掲載された。
降雨により、地面へと染み込んだ水分が、樹木に吸い上げられ蒸発し再び雨となるため、樹木が密集しているアマゾン流域の大気は通常の2倍の水分を含んでおり、密林の湿度が一定に保たれているため、再びの降雨に大きな貢献をしてきた。
農業が受ける被害は天文学的数字
2000年ごろから森林の伐採が進められてきたアマゾン川流域では、このまま伐採が続くと、森林の40%が失われる計算になるという。
イギリス・リーズ大学、エセックス大学などの研究者らによるチームが森林の面積や降雨パターンに関する衛星データを元にしたコンピューターモデルから、アマゾン流域での降水量が、雨季で12%、乾季で21%減少すると予測した。
降水量の減少で流域の農業がうける損失は150億ドル(約1兆1800億円)に上り、ブラジル国内電力の約65%を占めている水力発電にも大きな影響を及ぼすと警告している。
さらに、地域の気候が変化することで干ばつは進行し、樹木の立ち枯れが拡大、樹木が吸収するCO2の量も減少するだけでなく、生態系にも大きな影響を与えるとしている。
Nature
http://www.natureasia.com/ja-jp/