国際社会の注目を集める日本のエネルギー政策
先週の金曜日、野田首相が2030年代に原発からの撤退を目標として掲げたことをスイスやドイツのメディアが報道している。
日本のエネルギー問題に対する国際社会の関心は高く、特にここ1週間は、ドイツ語圏だけでも多くのメディアが日本のエネルギー政策に関連した様々な情報を報じていた。
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midorisyu福島第一原発の事故から1年半が経ち、日本政府が原発の段階的な廃止を約束した。しかし具体的なスケジュールについては明言を避けており、「2030年から2040年の間のいつか」であると、スイスのラジオ局Echo der Zeitをはじめとする数々のメディアが報じている。
政治、エネルギー問題、環境問題と様々な観点から
今回の野田首相の原発ゼロ発言に対してスイス紙Neue Zuericher Zeitung(NZZ)は、世論調査の結果によれば総選挙で自民党が与党から脱落する可能性が高いことから、「野田首相と自民党は、原発廃止を自分達で実行する必要がないのだ」としている。
またドイツ誌Focusは、日本が福島第一原発の事故までは、エネルギー需要のおよそ30%を原子力発電でまかなっていたという点を指摘し、「日本における原発の撤退は、ドイツのそれよりもはるかにスケールが大きいものだと」としている。
さらに世界中にネットワークを持つ環境保護団体グリーンピース・スイスは、「日本の原発からの撤退は、使用済みプルトニウムの処理という実質的な問題が広がることになるだろう」としている。日本は、イギリスやフランスのプルトニウム再生燃料のお得意様だったからだ。
Agentur fuer Erneuerbare Energien und Energieeffizienz
http://www.ee-news.ch/de/erneuerbare/Focus online
http://www.focus.de/politik/ausland/energiewende