宗教が野生動物のためにできること
WWFとAlliance of Religions and Conservation (ARC)は、アフリカで密猟によって、絶滅の危機にさらされている種を守るために、アフリカ全土の50の宗教の指導者が協力することを発表した。
WWFは、キリスト教、イスラム教、ヒンズー教、ユダヤ教、仏教、土着の宗教のリーダーたちとともに、アフリカで局面している野生動物の保護のための会議を開き、それぞれの宗教が密漁、密輸防止のためにどんな役割を果たせるかについて話しあった。
野生動物の密猟は、モラルの危機ともいえる。各宗教界のリーダーは、地域のコミュニティの中心であり、大きな影響を与えることができる人物たちであり、彼らにアフリカの動物たちの現状を知ってもらうことは重要だとWWFは考えている。
ゾウ1万頭以上が密猟の犠牲に
2011年にアフリカ大陸で命を奪われた野生動物の割合は20年間でもっとも高い。押収された象牙も史上最多となっている。また、南アフリカのサイの密猟は、過去5年間にくらべて激増している。
アフリカの密猟者たちは、毎年アフリカゾウ1万頭を殺害していると推定される。タンザニアやケニアで生産された象牙製品は、コンゴを通ってベトナムやタイ、中国などアジアの市場に出回っているという。
WWFは、密猟の裏には国際的な犯罪シンジケートのバックアップがあり、野生動物を守ろうとする保護官や地域の善良な人々が犠牲になることもあるという。違法取引は、野生動物だけでなく、アフリカの人々の暮らしもおびやかしていることを認識する必要があるという。
WWF
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