予想値の幅広く
福島第一原発事故から1年半。日本国内の原発政策はまだまだ未知数ではあるが、政府も脱原発を望む国民の声を黙視できない状態になった。では世界的にみると、どうであろう?
今週更新されたIAEA(国際原子力機関)のウェブサイトの情報によると、福島の事故後も原発は成長しており、今後も成長は続くとみられるが、震災前に予測されていたよりもゆるやかな伸び率だという。
同サイトによると、現時点での世界全体の原発による出力数は370ギガワットで、2030年までに出力数は456~740ギガワットに達するとみている。
数値に幅があるのは、今後の世界の経済成長、情勢によって大きな影響を受けるためだ。
アジア脱原発のリーダーとなれるか?
脱原発とは反対の方向に進んでいるようにみえるが、この数値は2010年の時点では546ギガワットから803ギガワットと予測していた。
福島第一原発の事故の影響を受けて、2011年に501ギガワットから746ギガワットに下方修正されたが、この1年でさらに下方修正されている。
原発の撤廃を決定したドイツ、スイス、ベルギーに続き、少しずつではあるが脱原発、再生可能エネルギーを促進する動きが世界に広がっていることが評価されたかたちだ。
IAEAによると、世界のなかで、今後もとくに大幅な原発建設が予定されているのは、中国、韓国をはじめとするアジアだという。
同じアジアの日本は、複雑な状況に置かれているが、福島の教訓を忘れず賢いエネルギー政策を進めたいところだ。
IAEA
http://www.iaea.org/newscenter/news/2012/np2030.html