”環境の時限爆弾”
オーストリア紙ウィーン新聞が、北極海に沈んでいる旧ソ連の原子力潜水艦についてレポートしている。
1982年に沈められた旧ソ連の潜水艦K-27は、近い将来甚大な環境破壊を引き起こす恐れがある。これは、調査隊による調査報告から専門家が導き出した結論であり、今週火曜日にノルウェーとロシアのインフォポータルサイト「Barents-Observer」が公表した。
UボートK-27は1968年、試運転中に放射能漏れ事故を起こし、修理作業にあたった9人の作業員を死に至らしめた。そして事故から14年後の1982年に、カラ海の水深30フィートに沈められた。当時はこれが環境汚染を防止するためのもっとも安全な方法であると考えられていたのだ。
”旧ソ連製Uボートの安全性はこれ以上保証できない”
今月ロシアの環境省が、沈められた旧ソ連製Uボートの原子力施設の安全性は、これ以上保証できないとする報告書を発表した。
これに対しノルウェーの研究者は、1982年に旧ソ連の技術者が行った暫定的な封鎖措置が今日まで持ちこたえていることを確認した。調査隊員の発表によれば、放射性物質セシウム137の値は5ベクレル/kgで、過去に行われた調査隊の結果と変わらない。また船体の状態にも異常ははなく、サビその他の損傷も認められなかった。
しかし海水は、遅かれ早かれ核連鎖反応を引き起こす可能性がある。そのため、K-27は2014年までに引き上げて、燃料棒をとり除く必要がある。大災害の脅威は刻々と迫っているのだ。
”引き上げは技術的には可能だが、膨大なコストが掛かる”
この潜水艦を引き上げて作業を行うことは、技術的には可能であるが膨大なコストが掛かる、とノルウェーの専門家は語る。そのためロシア政府は、この問題に対する国際社会の関心を集め、財政的な援助を得ようとしている。ノルウェー政府は既に2週間前に、このK-27の処理でロシア政府をサポートする構えがあることを表明している。
Winer Zeitung
http://www.wienerzeitung.at/themen_channel/wissen/klimaBarents Observer
http://barentsobserver.com/en