青銅器時代には既に、鉱物の採掘が行われていた
ヨハン・ヴォルフガング・ゲーテ大学フランクフルト・アム・マインの考古学チームが、オーストリアのアルプス地域にあるフォアアールベルクで実施されている発掘調査で、3500年前にすでに、鉱物の採掘が行われていたことが明らかにされた。
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さらにその当時すでに、土壌侵食や植生の欠如が原因で大規模な土砂崩れによって斜面全体が崩壊する災害が起こっており、点在していた集落やその周辺の牧草地をも埋めてしまったことも分かった。
その後地域の人々は、土砂崩れの再発防止のため、牧畜をより高い高度にある放牧地まで連れて行くようになった。これが、この地域の特徴である、高地での放牧と低地の集落から構成される景観を形成したと説明している。
アルプス景観は、人間の介入によって形成された文化的景観
ゲーテ大学発掘チームの代表リューディガー・クラウゼ氏は、同大学の広報に、「このような壊滅的な災害が、人間の活動を通じて引き起こされた結果であることは、疑う余地がない」と語っている。
クラウゼ氏によれば、今回の発掘調査の結果が示す先史時代から中世までに行われた自然破壊の規模から、「この地域の代表的な文化的景観は、その形成の過程から考察すると、見た目の印象よりもはるかに繊細」であり、アルプス景観の扱いには最新の注意を払うべきだとのこと。
さらに同氏は、雄大なアルプスの景観が今日の姿のままそこに存在し続けるという考えは幻想でしかなく、コントロールされた、負荷を軽減したツーリズムが考慮するよう呼びかけている。
Frankfurter Rundschau
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