後手後手になる原発の安全対策
10月1日付け海外サイト「LE FIGARO.fr économie」では、仏紙「Le FIGARO」が入手したフランスの原発の安全性に関する公式には未発表の情報を掲載している。
福島第1原発の事故後EU内で実施されたストレステストの際フランスの全原発で安全面の不備が見つかった。これは未発表の事実であるが、仏紙「Le FIGARO」が独自に入手した情報によると、EUが実施した安全点検の結果EDF(フランス電力公社)の58基の原子炉すべてで、福島の事故後に設定された基準をみたす安全装置の欠落が指摘されているということだ。
image by Lourenço Tomás福島の教訓は生かされていないのか
しかし未だEUサイドからは廃炉命令を含む一切の通告は無く、ギュンター・エッテンガー欧州委員会エネルギー担当委員はこの点検結果には一切触れず「原発の状況はいつも通り良好だ。しかし自己満足に終わってはいけないと思っている」と述べただけということだ。
福島の事故から18か月経った今、この機密書類はフランスの19の原子力発電所の不備を指摘している。実はこの不備は欧州原子力安全規制部会からも指摘されていたことであり、EDFは改善を約束していた。
フランスもEUもやはり「経済ありき」で、福島の事故を経てもなお安全対策はなおざりにされているということなのだろうか。
LE FIGARO.fr économie
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