排水やゴミによって環境汚染が進む川
Ecologistがカトマンズの谷の環境破壊についてレポートしている。
ネパールの主要河川であるバグマティ川では、定期的に清掃が行われている。ユニフォームを着用した軍人達が、川岸のプラスチックバッグやゴミを拾っていく。
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lavenderstreak清掃作業にあたっていた兵士は、ゴミを拾うと向きを変えて川に投げ入れる。「(ゴミは)川を下って無くなる」と、間違ったことは何もないと言うように落ち着き払って言った。これは、ネパール軍隊が月1回ベースで実施している「green the river」のための清掃作業であり、彼は命令に従っているだけだ。
”もはや手遅れなのかもしれない”
ぬかるんだ川岸には1-2kmにわたってアルミニウムで覆われた数千もの小屋が立ち並ぶスラム街が形成されている。ここでの生活は毎日が戦いだ。ゴミは家の近くに溜まり、悪臭が立ち込める。人がやって来て作業をしているが、清掃しているのではなく、ただゴミを移動させているだけだと住民は訴える。
ネパール政府も将来を楽観視しているわけではない。環境省の秘書官であるクリシュナ・ギアワリ氏は、この谷を汚染から救うべきだと政府や省に対して主張している。しかし、資源不足が原因で有効な手を打てないのだ。
ネパールの首都が位置するカトマンズの谷を貫くこの川は、かつては地域のメインストリートだった。繁栄の中心であった川は、現在ではネパール近代化をめぐるフォーカスポイントとなった。しかし科学者達は、例え今すぐに何らかの措置が行われたとしても、この谷を救うことができるのかどうか、懐疑的である。
Ecologist
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