デザイン界のオスカー
先月26日、ロンドンのデザインミュージアムにて三宅一生(みやけ・いっせい)さんとリアリティ・ラボチームが発表した132.5コレクションが、「デザイン界のオスカー」ともいわれるデザイン・オブ・ザ・イヤー2012を受賞した。
着想から25年
三宅さんがはじめに132.5コレクションに着手したのは、1988年のこと。それからじつに25年近い時間をかけて、今回の受賞に至った。
一貫して三宅さんが追求してきたコンセプトは二つ。
一つは地球環境を大切にし、自然と共生する世界の実現。もう一つは日本が培ってきた伝統的な手仕事ならではの細やかさ、ぬくもりを次世代に伝えること。
数多くの職人や技術者に出会い、語り合うなかで、アイデアを発展させてきた。
再生繊維としぼり染め
132.5コレクションに使われているのは、再生ポリエステル繊維の生地。その上に日本の伝統手工芸である「しぼり染め」の効果をコンピューターグラフィックによって再現した。
さらにその布を折り紙のように折りたたんでプレスすることで、立体的な美しいプリーツをつくり出している。数学的に計算しつくされたデザインは、美しい光沢と陰影を生み、見る人の心を魅了する。
デザイン・オブ・ザ・イヤー2012エキシビションには、家具、建築、デジタルデザインなど7つの分野で世界各国の著名なデザイナーたちが参加。今年7月4日まで展示が行われている。
三宅一生オフィシャルサイト
http://www.isseymiyake.com/デザイン・ミュージアム
http://designmuseum.org