生活排水をエネルギーに変換するシステムを持つ住宅地
今月15日、ドイツ・ハンブルグで、住宅地開発が予定されているイェンフェルダー・アウ(Jenfelder Au)地区の開発プロジェクトを、地区行政と市の水道局、IBA(国際建設展覧会)ハンブルグ事務局が共同で推進していくことに同意した。
総面積35haの土地に770戸の住宅供給が計画されており、地区の建設開始は、2013年末頃になる見通しだ。
現在、ハンブルグ市内に計画中の新しい住宅開発地区イェンフェルダー・アウ地区では、通常ならば電力を必要とする市の汚水処理システムを利用せず、独自の汚水処理・エネルギー供給システムを導入することが計画されている。
ハンブルグ市の水道局が作り上げた大規模な排水コンセプト、「HAMBURG WATER Cycle」が、ここで初めて実施に移されることになる。
エネルギー変換システムは、生活排水の分別収集から
排水からエネルギーを取り出すためには、従来ひとまとめにして集めていた住宅からの排水を、「雨水」「トイレ排水」「その他の生活排水」に分別して集めなければならない。
トイレの排水は、バキューム設備によって集められ、その他の有機ゴミと一緒に処理施設で発酵させてバイオガスを取り出す。このバイオガスを利用して、地域発電施設を稼働させ電力や熱を供給するというものである。
さらに、その他の生活排水や雨水も、トイレの排水と混ぜないことによって、処理に必要になるエネルギーを大幅に節約することができるとしている。
IBA(国際建設展覧会)ハンブルグの参照プロジェクト
イェンフェルダー・アウ地区は、地理的にIBAハンブルグの区域に含まれていないが、開発コンセプトがIBAハンブルグの方針に適っていることから、参照プロジェクト(Referenzprojekt)として組み込まれることが決定された。IBAハンブルグは2013年まで開催されている。
ハンブルグ市
http://www.hamburg.de/projekt-jenfelder-au/HAMBURG WATER Cycle
http://www.hamburgwatercycle.de/index.php/the-hwc-in-the-jenfelder-au.htmlIBAハンブルグ
http://www.iba-hamburg.de/intro.html