きらびやかな舞台の裏で進む汚染と搾取
今週、ファッション業界で「NICE」という名のソーシャルメディアキャンペーンが立ち上がった。このキャンペーンでは、ファッションを通じ、地球環境や社会問題について考えるメーカーと消費者のネットワーク構築をめざしている。
綿花栽培のための水の大量消費、化学肥料や農薬使用による環境汚染、さらには搾取や児童労働など、ファッション業界の裏側にある環境破壊、社会問題は多岐にわたる。
NICEを企画したのは、デンマーク・ファッション協会の最高経営責任者、エバ・クルス。
「私は20年間ファッション業界で働いてきました。夢のある魅力的な産業です。でも、地球にもっとも負担をかけている産業の一つでもあるんですね。だから小さなことでもやれることをやる責任があると思うのです」と彼女はいう。
大手ブランドのリーダーシップに期待
先月、彼女はコペンハーゲンで「持続可能なファッションサミット」を開催した。ハリウッドスターを含めた1000人以上が参加し、今直面している問題の解決策について話し合った。
そこでは、国連と共同でファッション業界の行動規範をつくり、6月にブラジルで開かれる、「国連持続可能な開発会議(リオプラス20)」に合わせて発表することが提案された。
テキスタイル業界では、竹やとうもろこしの繊維を使った布など、すでに多くのエコ素材を開発している。こうした素材を大手メーカーが積極的に使っていくことで、消費者の意識も変わっていくとエバは考えている。
「H&Mやパタゴニアなどの大手ブランドは、大きな影響力を持っています。こうしたブランドが立ち上がれば、消費者も今後どのようにファッションにお金をかけるべきか考え始めるでしょう」。
NICE
http://www.copenhagenfashionsummit.com/5steps