生物多様性のために、農地の7%を休閑地に
欧州連合(EU)の農業担当委員ダチアン・チオロシュ(Dacian Ciolos)氏は、EU圏内の農地の7%を、生態系優先地として生産活動から除外することを規定する方針を明らかにした。生物多様性や土壌の質向上のために、現在の農地から一律7%を恒久的に休閑地として、生物たちに提供せよということだ。
この政策が実施されれば、地形的に集約農業に有利で、効率の高い大規模農業経営を実現している地域ほど、大きな痛手を受けることになる。
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農業生産性VS生物多様性の攻防
ドイツ連邦農業省によると、ドイツ国内で休閑地になるべき7%とは、およそ60万-70万ヘクタールに相当する。ドイツ連邦農業大臣のアイグナー氏は、高い生産能力を持つ肥沃な土地が食料生産から除外されることになる、「増加する食料需要を前に、そんなことを正当化することはできない」と、この政策に反対を唱えている。
これに対し、チオロシュEU農業大臣は、「私たちは過去に土地にあった木々をすべて切り倒した。だからこそ、現在この地域には生物の多様性が育まれるすき間がない。そんな言い訳は理解しがたい」と強気の構えを見せている。
休閑地の指定には、さまざまな生態系タイプが用意される見通しで、実際には、土地利用の困難な部分を当てることができるようになると見られている。つまり、広大な土地で単一作物を生産している大農業地帯は痛手を受けるが、中山間地域などには大きな変化は無いことが予想される。
Frankfurter Rundschau
http://www.fr-online.de/wirtschaft/streit-in-der-eu-um-oeko