どれも落第点
台北タイムスは6月5日、台湾政府のこれまでの環境政策に対して、環境保護グループが手厳しい評価をくだしていることを伝えた。
グリーン・シチズン・アクションの賴偉傑氏は、政府のエネルギー政策に対して「産業政策、エネルギー課税、温室効果ガスの削減、ともに成果がない。原子力政策、再生可能エネルギーについても落第点」と厳しい評価をくだした。
みずほ総研の調べによると、台湾の1次エネルギー消費量は約1億トン。人口1人当たりに換算すると、日本よりも17%程度多い。これは、製造業が産業の中心となっているためだ。
また、ほかの新興国にくらべて、早い段階から原子力発電を導入しており、電力供給量の約10%をしめる。一方で、再生可能エネルギーの割合は約2%にとどまっている。
「グリーン経済」を勘ちがい?
国営企業の台湾電力社は、今後も電気需要は伸び続けると予測し、新たに発電所を建設する必要があると発表している。
これに対し、シチズン・オブ・アースの李根政氏は、「政府がするべきことは、発電所を増やすことではなく電力効率を上げ、省エネしながら生産力を維持することだ」とコメント。
台湾政府は、これまでエネルギーの効率化ついて、毎年2%という目標を掲げてきた。しかし、消極的な目標にもかかわらず、2002年から2010年までの間で、年平均1.93%しか達成できていない点を批判している。
さらにシチズン・オブ・アースは、「政府は『グリーン経済』のコンセプトを取りちがえている。再生可能エネルギー産業が発展すればいいというものではない。経済利益を最優先するのではなく、持続可能な発展のための政策をつくり、環境優良企業を適正に評価することだ」と述べている。
グリーン・シチズン・アクション
http://eem.pcc.gov.tw/en/node/1230シチズン・オブ・アース
http://www.cet-taiwan.org/みずほ総研
http://www.mizuho-ir.co.jp/