北ドイツの電力市場に、新たなローカル供給会社が参入
北ドイツにあるヴァーレンドルフ(Warendorf)市のエネルギー公社は、6月1日よりこれまでの水道とガス供給事業に加えて、電力の供給を始めた。販売する電力は、北欧スカンジナビアの水力発電施設による、100%エコ電力のみだ。
同地域の電力供給は、大手RWEが最大のシェアを占めている。しかし公社は大手のRWEの基本料金よりも安い料金設定をしている。公社の強みは料金の安さだけではない。「私たちは、正体の分からないディスカウンターではない」と公社の関係者は語る。市の公社であるだけに、顔が知られていて、何かあれば常に対話が可能だ。
ヴァーレンドルフ公社は、一般家庭への供給から開始するが、企業への供給もすでに計画が進んでいる。また現段階では、エコ電力を「仕入れ」てきて「小売り」しているだけだが、中期的には自らエコ電力を生産したいと考えている。
電力供給の自由化
ドイツでは1998年に電力が自由化されて以来、多くの電力会社が生まれた。大手はRWEなど4社で、その他は地方自治体の公社が多いが、新規会社も増えた。現在、国内にある電力会社の数は1000社ともいわれる。消費者にとっては選択肢がありすぎて逆に難しいことも事実だ。
先日、日本でも2014年以降に家庭向けも含めたすべての電力供給を完全自由化する意向が発表されたばかり。競争原理が導入されれば、料金設定やサービス内容の多様化が進むだろう。電力自由化を能動的に活用するためには、消費者もまた、情報を集め企業を見守り、選択して行かなければならない。
Stadtwerke Warendorf GmbH
http://www.wev-warendorf.de/