ベルギー連邦原子力管理局の発表にもの申す
6月11日付ベルギーサイト「LE VIF.be」では、Belga(ベルガ)通信が行った国際環境保護NGOグリーンピースへのインタヴューを掲載している。グリーンピースは、ベルギーにある6つの原子力発電所以外のクラス1原子力施設(ドール、ティアンジュ、フルーリュス、モル、ゲール、ガンの各地)から排出される放射性廃棄物(液体、またはガス状の放射性同位体)の放射線量について言及した。
AFCN(ベルギー連邦原子力管理局)は、上記の6つの施設から排出される放射線量は国際基準である年間1mSv(年間許容線量、しきい値)を下回っている旨を公表したところ、グリーンピースはこの国際基準について警鐘を鳴らした。
「安全」な基準などない!リスクは隣り合わせ
グリーンピースにおける原子力エネルギーのスペシャリストでありベルギー下院議員でもあるエロイ・グロリウクス氏は、「我が国(ベルギー)では自然界からの被爆量はすでに年間2~3mSvである。したがってそこに更に原子力施設由来の線量が加算されるということは、住民に副次的な影響を与えるリスクが増す」と述べ、「たとえそれが少量で、国際基準に合致していたとしても「安全だ」ということにはならない」とも加えた。
例として、ベルギーでは肺がん患者のうちその1割程度が自然界からの被爆が原因で発病している。グリーンピースは放射線医学には反対しないまでも、脱原子力エネルギーの姿勢は常に変わることはない。
LE VIF.be
http://www.levif.be/info/GREENPEACE
http://www.greenpeace.org/international/en/