地球と人類は分かり合えるか?
リオで開催された世界初の環境会議から20年がたった今年、ドイツ連邦政府は、引き続き持続可能な解決策を探るべく、Wissenschaftsjahr 2012と称し、Zukunftprojekt ERDE(未来プロジェクト・地球)を進めている。今回、このプロジェクトをPRするビデオが公開された。
4分足らずのビデオの中では、地球の歴史、ことに人類の産業活動を原因とする環境破壊の歴史が速いテンポで分かりやすく展開される。ユニークな視線と辛口なユーモアで、飽きさせない作品に仕上がっている。
ビデオは、まず地球がSNS「earthbook」のユーザーとしてアカウントを作るところから始まる。サルから進化を遂げた人類が登場すると、地球は「ようこそ、人類!」と歓迎し、即座に友だち申請を承認が、ここから悪夢が始まる。
地球は、海が汚され胸焼けがするし、熱が下がらない。そこへ人類が地球に「CO2ゲーム」への招待を送りつけてくる。人類は、携帯電話の発明、インターネット、スマホと新しい技術に夢中だ。
その陰で、稀少鉱物はますます稀少になり、オランウータン、トラを始めとする3373種が「絶滅に瀕する種」コミュニティの仲間入りをした。
人類、ムカつく! by 地球
地球は、もはや人類のやることについていけず、火星にチャットメッセージを送る。
地球: 人類、ムカつく!
火星: だから注意しろって言ったじゃないか!早かれ遅かれ、君のフレンドリーな態度のせいで、怒りを爆発させることになるぞ。
地球: ・・・ヤツらがこのまま突き進むならね。
その間にも、人類の横暴な振る舞いは留まるところを知らない。いよいよ頭にきた地球は、人類を友達リストから削除することにした。
その瞬間、人類からひとつの知らせ届いた。「リオの環境会議」への招待だ。さらに「再生可能エネルギー」コミュニティが設立され、人類から「京都議定書」への招待が届き、間髪入れずに「グリーン・エコノミー」ゲームへの招待が続く。太陽と風は、「エネルギー獲得」コミュニティのメンバーになったとの知らせが。
「環境負荷のりミット設定、地球温暖化は最大で2℃まで!」コミュニティが設立され、人類は今、「大きな変革の真っ最中」。そして人類からのチャット・メッセージが入る。
人類: 2℃で良いかな?
地球: まあ手始めとしてはね。
ようやく地球との対話を始めた人類。最悪の事態だけは避けられたようだ。まだまだ最初の一歩を踏み出しただけではあるが。
ビデオは下記のリンクから。
Wissenschaftsjahr 2012 Zukunftprojekt ERDE
http://www.zukunftsprojekt-erde.de/WissenschaftsjahrのYouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/user/wissenschaftsjahr