生ごみからバイオメタン
バイオ燃料の開発を手がけるイギリスのガゼシア社が、フィリピンのごみ山の生ごみを使って、車両用のバイオ燃料をつくる。
フィリピンの大手メディアABC-CBNは、先週6月4日から6日にかけて、アキノ大統領がイギリスを訪問した際、ガゼシア社と、フィリピン国内でエネルギー事業を手がけるアボイティズ・エクイティ・ベンチャース社が、液状バイオメタンをつくるプラントの建設に合意したと報じた。
このプラントは、生ごみなど動植物由来のごみを利用するもので、つくられた燃料は、車両に供給される予定だ。
ごみの行方がフィリピンを左右する?
現在フィリピンでは、ごみは焼却処分されていない。そのまま郊外に運ばれて捨てられ、文字通り山になっている状態だ。周囲で暮らす人々はそのなかから、びんやプラスチックなどリサイクルできるものを拾って売ることで生計を立てているが、ごみからは有害なガスが発生し、衛生上問題となっている。
一方、近年の原油価格の変動によって、公共交通機関の運賃も値上がりする傾向にあり、フィリピン庶民の生活を直撃している。
フィリピンの負の象徴から次世代の燃料をつくり出そうという今回のプロジェクト。フィリピンの環境問題や産業構造、人々の生活にどのような変化をもたらすのか気になるところだ。
編集部 野口和恵
ガゼシア社
http://gazasia.com/アボイティズ・エクイティ・ベンチャース
http://www.aboitiz.com/AEV/index.phpABS-CBN
http://www.abs-cbnnews.com/business