エアコン控えに関する「意識」と「実施内容」の矛盾
ダイキン工業株式会社は、「夏場のエアコン利用と健康管理」をテーマに、
「第18回現代人の空気感調査」を実施し、7月3日付で結果を発表した。
政府が推奨する冷房の温度設定は28℃だが、回答者のなかで実践した人の割合は、3割にとどまった。
同調査は、6月8日・9日の2日間、全国の20代~70代の男女700人を対象に行ったもの。回答人数は720人。うち男性が357人、女性が363人だった。
多くの回答者が、節電対策として、エアコンの利用を控えることへの意識を強く示した。しかし、実際に冷房の温度を28℃以上に設定した人は、わずか3割程度だった。なぜ、意識と行動の間にギャップが生じたのか。
28℃は暑かった!?
同調査によると、昨年の夏、自宅のエアコン冷房の利用を「控えた」と答えた人は、69.4%だった。そのうち、「冷房利用時間を短縮」「エアコンの温度を高めに設定」といった方法をとった人は、どちらも65%超えとなった。
ところが、冷房を控えた人への「昨年の夏場、自宅でのエアコン冷房は何度に設定することが最も多かったですか?」との問いに対し、実際に28℃以上と答えたのは、たった33.6%だったのである。
これについて、
田中英登教授(横浜国立大学)は、
単純に温度だけで考えると夏の28℃は快適とはいいにくい温度でしょう。服装にもよりますが、Tシャツ短パンくらいの服装で28℃はちょうどいい気温です。
と述べている。
休暑日を作ろう
昨夏、自宅でのエアコン利用を控えた回答者のほとんど(
97%)が、「暑さを感じていた」としている。
28℃設定を進んで実践していたのは、冷房が苦手な体質を自覚している「冷房弱者」が中心。但し、冷房弱者層の46.1%も、昨夏は「暑かった」と答えている。
冷房に依存したくはないものの、やはり現実に「暑かった」ことが、回答内容に影響しているようだ。さらに、今夏のエアコン控えと健康管理の両立について、「自信がない」とする声も多く聞かれる。
同教授は、
我慢しない日があったほうがいいでしょう。夏場に2か月も我慢し続けるのは体調を崩す元です。
「休肝日」ではないですが、週に一度は涼しいところで過ごし、いわば、「休暑日」のような暑さから体を休める/和らげる日をつくることが必要です。
としている。我慢の夏を続けるのではなく、合間に暑さから逃れる日を入れるのがよさそうだ。健康に無理のない範囲での節電対策は、今夏の課題と言える。
全国700名に聞いた「夏場のエアコン利用と健康管理」結果発表|ダイキン
http://www.daikin.co.jp/press/2012/120703/