Appleに何が起きた?
先日、Appleが自社製品についてEPEAT( Electronic Product Environmental Assessment Tool)と呼ばれる環境基準の認証を返上。それを受けて、EPEAT認証を電子機器購入の条件としているサンフランシスコ市は、今後市の予算でAppleの製品を購入しないとことを決めた。
EPEATは、政府や環境保護団体、企業によって策定された。この策定にあたっては、Appleもかかわっていたという。環境優良企業のイメージを持たれているAppleが環境基準の認証を返上したと聞いて、なぜ?と思った人も多いのではないだろうか。
Appleのクリスティン・ヒューゲット氏がThe loopに語ったことをまとめると、次のようなことがわかる。
4年間で温室効果ガス15%削減
Appleは、これまでも現在もEPEATが対象としていない分野で、環境負荷を減らす努力をしているという。たとえば、カーボンフットプリントの考え方を業界で最初に導入し、温室効果ガスの削減に取り組んできた。その結果、同社のサイトによると、2008年から15%以上の温室効果ガス削減を達成したという。
また、有害物質をふくむ材料を使わず、製品の省エネ化を追求してきた。たとえば、MacBook Proはアメリカ環境保護局が設定した電力効率の基準ENERGY STAR 5.2の認定をクリアしている。
認証基準がすべてか?
EPEATはエネルギー効率が高く、リサイクルしやすい電子機器に与えられる認証だ。そのため、Appleが努力してきた有害な材料の使用禁止、温室効果ガスの削減については、評価の対象とならない。また、リサイクルしやすさという点からすると、バッテリーが接着材で固定されたMacBook Proは不適合ということになる。
こうしてみると、EPEAT認証だけを条件として、Appleの不買を通達したサンフランシスコ市の対応が、杓子定規にも思えてくるのは私だけだろうか? さまざまな環境基準が設けられている今、何が本当にエコなのかを消費者が見極める力が必要になっているかもしれない。
(編集部 野口和恵)
Apple
http://www.apple.com/The loop
http://www.loopinsight.com/2012/07/10/