大都市内部の街角で、農業の大変さを体験する
大都市に住みながら地方での生活を欲する人々が後を絶たない。それを通じて、食物生産への関心を呼び起こされる。これは、日本もドイツも変わらない。
その希望を実現したひとつの例がベルリン市内で実施されているプロジェクト、Allmende-Kontorだ。閉鎖されたテンペルホーフ国際空港周辺の地区に展開する5000平米を上回る共同の菜園だ。
「ここで人々は、農業がいかに難しいものかを知り、この地上のすべての小規模農家に対する親近感を覚えるのです。」と語るのは、プロジェクトを牽引するひとりであるセヴェリン・ハルダー氏。
しかし、ここでは作物を販売したり稼いだりすることが目的ではない。彼らの目的は、集合住宅のブロックの合間により多くの緑の空間を生み出し、都市内部の緑のネットワークの拠点とすること。このような菜園がベルリン市内ではすでに60か所を数える。
大都市内農業をビジネスチャンスに
ベルリンのシェーネフェルト地区にあるかつてのモルツ工場跡地では、Efficient City Farming(ECF)が、商業目的で魚の養殖と野菜の生産を組み合わせた事業を採算ベースに乗せるべく努力している。
ECFの描くビジネスプランは、魚の糞など養殖池に堆積される汚物をバイオフィルターを通じて取り出し、堆肥として利用しようという試みだ。このシステムは、ライプニッツ研究所(Leibniz-Institut fuer Gewaesseroekologie und Binnenfischerei)によって構築された。
90年代からマーケティングの戦略の中で盛んに取り組まれてきた「地域性」というキーワードは、すでに単なる流行ではなく、マーケティングの重要な構成要素として定着したのである。
Sueddeutsche Zeitung
http://newsticker.sueddeutsche.de/list/id/1339971Allmende-Kontor公式サイト
http://www.tempelhoferfreiheit.de/mitgestalten/pionierprojekte