ペルーのマンゴー農場で働く労働者たちの過酷な労働環境
ペルー産のマンゴーと言えば最高品質で知られており、コントロールされたオーガニック・マンゴーなどがヨーロッパや日本でも多く輸入されている。
非常に低い賃金、強制される無報酬の時間外労働、劣悪な安全対策、労働組合に対する妨害、妊娠した労働者に対する差別
これは、およそ一年前にオランダのリサーチセンターのSOMO(the Dutch Centre for Research on Multinational Corporations)が作成したリポートで、ペルーでもっとも大きなマンゴー生産会社についての告発の内容だ。
このリポートから一年が経った現在でも、現状は何ら変わっていないと、Ecologistがリポートしている。
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aleshSOMOはリポートの中で、ペルーで最も大きなマンゴー会社3社の労働者へのインタビューを引用している。それによれば、組合員だという理由で脅迫されたり解雇されたり、また時間外労働に対する支払いが行われないこともしばしば起こっている。さらに、時間外労働を拒否した労働者が解雇され、再雇用されないということもあった。
会社側と労働者側の主張は真っ向から対立
このリポート対してマンゴー会社側からは激しい反発が起こった。彼らはSOMOがリポートを作成するにあたって、会社側と全くコンタクトを取らなかったと強く非難している。しかしSOMOは、ペルーのリサーチのパートナーが会社側に何度もコンタクトを取ったが、会社側は一切関心を示さなかったと反論する。
ペルーの農業労働者組合連盟の書記長も、マンゴー産業で労働組合を作ろうとすると、常に脅迫を受けることになるという事実を、多くの人々からの話によって確認していると語る。
これに対してマンゴー会社側は、スタンダードに基づき定期的に独立した組織による検査を受けており、そのような不正を行うことは不可能であると反論。労働者側は、その検査の実施体制自体に問題があり、労働者が自由に問題を話すことができない状況にあると主張するといった具合に、双方の主張が対立し、状況は変わっていない。
Ecologist
http://www.theecologist.org/News/news_analysis/1490690/fancy