低コストでバイオマス燃料を製造
JFEエンジニアリング株式会社(本社:東京都千代田区)は、愛媛県松山市の下水処理場で、
下水汚泥を固形燃料にする実証事業を始めると発表した。
松山市西部浄化センターには、同社の開発による「下水汚泥表面固化乾燥技術」を用いた装置が導入される。
作り出した燃料は、残った下水汚泥の焼却に利用する。この技術では、コストの削減を実現しながら、
汚泥固形燃料(バイオマス燃料)の製造が可能とのこと。
臭気や粉塵を抑えることができる点も、大きなメリットだ。
ニオわない、しかもCO2削減に貢献
同社は、国土交通省・国土技術政策総合研究所より、「平成24年度下水道革新的技術実証研究(B-DASHプロジェクト)」を受託しており、今回、実証実験に着手した。
その実証の場となるのが、愛媛県の松山市西部浄化センターだ。同センターでは、重油を使用して下水汚泥を焼却している。
そこで、今回の実証では、焼却炉の廃熱を利用して下水汚泥の一部を乾燥させ、カロリーの高い固形燃料にする。処理能力は1日20トン。
「下水汚泥表面固化乾燥技術」を用いた装置では、従来活用されていなかった焼却炉の低温廃熱(200~300℃)を使うことで、比較的費用をかけずに燃料の製造ができる。
燃料は、製造過程において表面に固化膜を形成している。このため、匂いや粉塵を抑えることも可能となっている。
同燃料の利用は、重油の使用量およびCO2排出量の削減にもつながる。
同事業では、製造した燃料の用途を、残った下水汚泥の焼却に決定しているが、同社は今後についても、セメント工場や火力発電所で利用するなど、構想を広げている。
JFEエンジ、国交省の委託を受け、愛媛県で下水汚泥固形燃料化の実証研究|環境ビジネスオンライン
http://www.kankyo-business.jp/news/002786.php松山市で下水汚泥固形燃料化の実証を開始|JFEエンジニアリング株式会社
http://www.jfe-eng.co.jp/news/2012/20120712.html