ナノロッドで散りばめた、山谷構造を持つシートを形成
金沢大学は2012年7月24日、独立行政法人科学技術振興機構(JST)課題達成型基礎研究の一環として、既存構造を越える新構造の高効率有機薄膜太陽電池を開発したと発表した。
※実験に使用された太陽電池
2種類の半導体材料を混合した構造が現在主流の有機薄膜太陽電池だが、半導体材料によっては適応できなかったり、コスト面の課題も抱えていた。
他の半導体でも確認、有機太陽電池全般への応用を期待
今回、従来と同等以上の効率が得られる新構造に注目。デバイスの基板上に山谷構造を持つシートを形成し、その上にドナー材料を単純積層することで、平坦な基板に比べて結晶性が高まり、2つの材料間の接触界面も増加。さらに、分子の配向制御によって光吸収が増加した。
結果、単純積層型の3倍という、従来型を越える数値を実現。これまで有機太陽電池効率化の唯一の選択肢であった従来構造に代わる、材料を選ばず簡単で低コストで作ることができる新デバイス構造が開発された。
すでに国内では特許出願済。今後は企業などとの共同研究によって、早期実用化を目指していく。
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