8トンの金、銀、銅が必要!
海外サイト「Le nouvel Observateur」では、もうじき開幕のロンドンオリンピックならびにパラリンピックで使用されるメダルについてレポートしている。今回必要な4700個のメダルを製造するために使用された金、銀、銅は8トン。採掘が行われたのはモンゴルとアメリカのユタである。
何と言っても、今回のメダルは高価なのである。金メダルを例にとってみると、たしかに410グラム中金はわずか6グラム(1.34%)であり残りは銀と銅の合金なのであるが、金と銀のレートが前回のオリンピック時に比べて倍近くまで高騰したことに加え、直径85ミリ、厚さ7ミリで夏のオリンピックでは最も重いためこれまでのオリンピック史の中で最も高いメダルとなったのである。
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HockeyholicAZ 金銀銅の採掘方法は環境に悪影響ではないか?
しかしメダルの原料の鉱物類(金、銀、銅)の採掘方法が、環境に悪影響を及ぼすものではないかと論争が起ったことも事実である。採掘を担当したのはRio Tintoという多国籍の鉱業、資源グループであり、その中で今回はイギリスとオーストラリアのチームが業務にあたった。採掘方法に批判的な態度を示したのはオリンピックのスポンサー企業のグリーンウォッシングを告発する活動家らである。この件に関しては擁護派と批判派にわかれているようである。
いずれにせよ、2012年のメダルは1948年のロンドンオリンピックの時のものより格段に質が良いであろうということだ。なにしろ当時は大緊縮の時代で、メダルの表面の金メッキはとても薄く、金メダリストたちは幾度となく金メッキを繰り返さなくてはならない状態だったという。
2012年版はイギリス人デザイナーであるデビッド・ワトキンス氏によるデザインで、勝利の女神「ニケ」が飛び立つ様子が刻印されている。メダルは現在オリーブの王冠とともに保管され、アスリートたちの首にかけられる日をじっと待っている。
Le nouvel Observateur
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