新興国は原発推進
先週、中国で、昨年の福島第一原発の事故を受けて延期していた、新しい原子力発電所建設が近々正式に認可されることを中国国家エネルギー局の前局長があきらかにした。
Eco businessによると前局長の張氏はChina Dailyに対し、中国政府は新たに4か所の原発の建設を計画しており、7つの原子炉をつくる予定であること、まだ正式に発表されていないものの、6月中に原子力安全計画が政府によって承認されたと、語ったという。
この建設は、China National Nuclear Corp, China Guangdong Nuclear Power Corp と China Huaneng Groupの三者によって計画されている。
福島第一原発の事故は、日本のみならず、世界じゅうの原子力政策に影響を与えている。ヨーロッパ諸国は、原発建設を中止または延期することを決めている。しかし、一方で、中国をはじめとする新興国は原発の安全性を高めながら、増設していく道を選んでいる。
安全対策への気合は十分
中国政府は、9か月の間、稼働中または建設中の41の原子炉の安全性を調査してきた。その結果、出された安全報告書は、原子炉の設計、建設状況、運転状況とも、おおむね問題なく、IAEA(国際原子力機関)が求める要件を満たしているという。しかし、なかには洪水や津波などの自然災害への安全対策が十分でないものもあるという。
不安材料がまだ残っているなかで、中国政府は原発の重要性のPRにも積極に取り組んでいく予定だ。中国のエネルギー会社各社は、海外の原子力企業から経験やノウハウを学んでいるところだ。
いまの中国は、原子力発電が明るい未来をもたらすものだと信じていた日本と似たような状況であるのかもしれない。しかし、昨年の3.11から原発をめぐって、混乱が続いている国内を振り返ると、決して二の舞を踏んでほしくないという思いだ。万が一、事故が起きたときのことを考えれば、隣国で暮らす私たちにも他人事ではないだろう。
China National Nuclear Corp
http://www.cnnc.com.cn/tabid/141/Default.aspx/China Guangdong Nuclear Power Corp
http://www.cgnpc.com.cn/n1093/n463576/n463598/index.htmlChina Huaneng Group
http://www.chng.com.cn/eng/
Eco business
http://www.eco-business.com/news/government-set-to-resume-nuclear-projects/