地中海海上の大気汚染状況を調査
8月3日付海外サイト「MaecelGreen.com」では、フランス、グルノーブルの研究チームによる地中海の海上の大気汚染調査の模様を掲載している。今回調査にあたったのはジェセフ・フーリエ大学の研究者たち。研究の目的は地中海上の大気のデータをとり、汚染状況を分析することだ。
実際のところ、調査は2010年から行われている。これまで調査に使われてきたのは補助エンジンが電気を動力とするタイプのヨット。しかし今回新たに導入されたヨットの補助エンジンは燃料電池を動力とするものだ。なお、燃料電池とは化学反応によってエネルギーを生みだす仕組みであり、排出されるのは水蒸気だけ、という環境に大変配慮されたものである。
※画像はイメージです最先端のヨットの名前は「ゼロCO2」
この最先端技術を搭載したヨットでの調査の利点は、ヨットみずからが汚染物質を排出しないということのみならず、大気のサンプルを採取する際にも誤ったデータの検出を予防できる、という点にある。
「ゼロCO2」と名付けられたこのヨットは、マルセイユの沖合を数週間かけ、8月の半ばまで調査を行うという。いままでのところの調査結果によると、大気中の汚染物質は夜間に集中し、そのまま沖合に留まる傾向があるという。反対に日中は風の影響でその汚染物質は沿岸に押し寄せるということだ。
この汚染物質はマルセイユの住民の健康に重大な被害をもたらしているという。毎年、200名あまりがこの物質の影響で亡くなっているという。今回の調査は状況の把握という点が第一の目的であったが、次回は実際にこの環境崩壊を食い止めるための行動指針作りに着手するだろう、とのことである。
MaecelGreen.com
http://www.marcelgreen.com/