ふるさとはビルマの森
観光地としての人気が高いタイ。その人気スポットのひとつは、国内に複数あるエレファントキャンプ。ゾウに乗ったり、記念撮影をしたりできる場所だ。しかし、そのゾウの多くは、密猟者が行う不法な取引によって連れてこられていることをご存じだろうか?
Ecologistには、その様子を追った短いドキュメンタリーフィルムがアップされている。それによるとタイの観光地で見られるのはアジアゾウ。少なくとも毎年50~100頭の子どもと若い雌のゾウが、生息地であるビルマ(ミャンマー)の森から連れ去られ、違法取引のすえタイの観光地に引き渡されているという。
家族を殺され調教されるゾウ
ゾウの密猟者たちは子どものゾウを捕える際、子どもを守ろうとする母親やほかの家族たちを殺してしまうという。家族をなくし、囚われの身になったゾウは、ある期間、ひとつの場所につながれ、人間に服従するように飼いならされていく。この冷酷な調教期間を生き延びることができるのは、3頭に1頭だけだとNGO関係者は推定している。
こうして生き残ったゾウたちが観光地でツアー客をのせたり、“野生動物公園”という名前のついた施設の中でその姿をさらしたりしているのだ。こうした生活にストレスを感じ、亡くなるゾウは数えきれない。
こうした人間の残忍な行為により、アジアゾウは種の存続の危機にさらされている。環境活動家たちは、タイ政府当局に対して、密猟、違法取引取り締まりの厳重化を求めている。
Ecologist
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