充填と成形を同時に行う
大日本印刷株式会社(以下、DNP)は、2015年12月9日、ペットボトル用の無菌充填システムを開発し、水の使用量を約9割削減すると共に、ペットボトルの軽量化も実現したと発表した。
DNPが初めてペットボトル用の無菌充填システムを開発したのは1994年。無菌状態のチャンバー内でふくらませたプリフォームを成形し、高温・短時間での滅菌から急速な冷却を経た内容物を常温でボトルに詰めていくもので、内容物の充填と同時にペットボトルを成形するシステムである。
充填を行う工場に小型のプリフォームで納入できる点、常温での充填が可能なため薄く軽量なボトルを使用できる点などが評価され、国内外の多くの飲料メーカーに採用されてきた。
滅菌後の洗浄工程が不要に
これまでのシステムは、ボトルの滅菌用に過酸化水素を用い、滅菌後に過酸化水素を除去するため無菌水で洗浄する必要があった。しかし、水使用量削減のニーズの高まりを受けて、DNPはこのシステムを刷新した。
新システムでは、ペットボトル成形時に発生する余熱を利用して温風の乾燥時間を延ばすことで、ボトル内の洗浄工程を不要にした。その結果、水の使用量を削減できた。
また、炭酸飲料向けの耐熱圧ペットボトルが軽量化し、ミネラルウォーター以外の内容物用(350ml~550ml)では14.6g、国内最軽量での製品化を実現した。ボトルの軽量化は輸送効率の向上につながり、環境負荷を低減する。
このたび、新システムのボトルが国内の飲料メーカーに初採用された。
(画像はニュースリリースより)
大日本印刷株式会社 ニュースリリース
http://www.dnp.co.jp/news/10117482_2482.html