拡大するウェアラブル機器市場
日立マクセル株式会社は、2015年12月10日、リチウムイオン電池のエネルギー密度が従来品の約2倍となる高容量化の技術を開発したことを発表した。
リチウムイオン電池を用いるウェアラブル機器は、現在、活用の場を急速に広げている。産業用・民生用の違いなく、スポーツ、医療、ファクトリーオートメーション、アミューズメントと、その用途は多岐にわたる。
市場の成長も著しく、ウェアラブル機器の出荷台数は2015年には7,610万台に達する予定で、2015年~2019年の平均成長率は22.9%、2019年に至っては1億7,340万台まで伸びると推測されている。
リチウムイオン電池の高容量化
ウェアラブル機器が小型化・軽量化する一方で、機器内に格納できるサイズに限りがある電池には、高容量化が難しいという課題があった。
このたび、同社は、機器のコンパクトな形状、デザインを維持しながら、稼働時間を大幅に伸ばすことができるリチウムイオン電池技術「ULSiON(アルシオン)」を開発した。
エネルギー密度を高めるには、リチウムイオン電池負極中のシリコン電極材料(SiO-C)含有量を増やす方法が知られていたが、これまで実用化は実現しなかった。
スマートフォン向けリチウムイオン電池で培った高容量化技術を発展させた同社は、繰り返し充放電することで膨張収縮するなどの課題を解決し、さらに高電圧から低電圧に至る広領域で充電できる電極技術を採用した。
同社は、「第2回ウェアラブルEXPO」(2016年1月13日~15日・東京ビッグサイト)に「ULSiON」技術を導入したウェアラブル機器用電池を出展する。
日立マクセル株式会社 プレスリリース
http://www.maxell.co.jp/第2回ウェアラブルEXPO
http://www.wearable-expo.jp/