工業炉向けの熱交換器で耐高温性能1,300度を実現

国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、2015年12月24日、未利用熱エネルギー革新的活用技術研究組合（TherMAT）が未利用熱を有効活用する産業・工業炉向け高温用高効率熱交換器を開発したと発表した。

運輸・産業・民生で活用される一次エネルギーの半分以上が、利用されずに未利用熱として環境中に排出されている。NEDOは、これらを削減(Reduce)、回収(Recycle)、利用(Reuse)するため、2015年度にプロジェクト「未利用熱エネルギーの革新的活用技術研究開発」を開始した。

プロジェクトを牽引するTherMATは、耐高温性能と熱回収性能を両立させた熱交換器の開発を目指した。

まず、特殊耐火材の使用により耐熱性と抗熱伝導の性能を放熱気体温度1,300度まで引き上げ、次いで、熱伝達面積を増加させるため、2重筒と多筒管のハイブリッド構造を採用して熱伝達を効率的にした。

その結果、工業炉が廃棄した熱エネルギーを従来品の3倍の熱回収性をもつ高温用高効率熱交換器が実現した。

これを組合員の美濃窯業株式会社が製品化し、2015年12月に製造・販売を開始した。今後、同社は熱交換器の普及に努めると同時に、1,500度以上の耐高温性能に向けた開発を進め、未利用熱の有効活用に貢献する考えである。

（画像はニュースリリースより）




国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構、未利用熱エネルギー革新的活用技術研究組合、美濃窯業株式会社　ニュースリリース
http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100509.html