地熱発電の導入を促進
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、地熱発電の導入を拡大する新たな研究開発テーマに着手することを2016年1月14日に発表した。
日本は世界第3位の地熱資源国であり、地熱発電はベースロード電源として活用できるため、有用な再生可能エネルギーとして期待が高い。NEDOは、「地熱発電技術研究開発」(2013~2017年度)で地熱資源を有効活用する技術開発に取り組んでおり、今回の新テーマもその一環で行う。
4つの開発テーマ
丸和電機株式会社に委託したバイナリ―発電機では、潤滑装置の代わりに磁気浮上軸受を採用して環境に配慮した低コストの発電システムを実現する。バイナリ―発電は地下の熱水を熱源に発生させた蒸気でタービンを回すシステム。
横河電機株式会社には、温泉の涌出状況を遠隔で連続的にモニタリングする計測装置を委託し、温泉と共生した地熱発電に貢献する。この装置により発電事業者や温泉事業者が温泉の状況を把握しやすくなる。
地熱技術開発株式会社、公立大学法人北九州市立大学、日揮株式会社に委託する還元熱水高度利用化技術は、地熱熱水に含まれるシリカを資源として回収するもので、還元井へのシリカスケールの付着を防止する。その結果、還元井の延命化とバイナリ―発電の事業リスク低減につながる。
シリカスケール付着防止を図る他の技術として、国立大学法人富山大学、国立大学法人九州大学、三菱マテリアルテクノ株式会社ではシード循環法を開発する。シリカ吸着力を持つシード(種結晶)を添加して、熱水中の過飽和シリカをろ過・分離しやすくする方法で、地熱発電所の配管や還元井の閉塞リスクを低減する。
NEDO ニュースリリース
http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100514.html