低かった電力自給率
宇部興産株式会社は、福岡県に所在する苅田セメント工場で2014年6月に起工した排熱発電設備が完成し、2016年1月から稼働を開始したと発表した。
同社が運営する3つのセメント工場の内、山口県に設置した宇部セメント工場と伊佐セメント工場では自家発電所から電力を供給している。
しかし、苅田セメント工場の場合、使用電力の大部分を購入するなど電力自給率が約10%と低かったため、電力の安定確保とコスト削減が求められていた。
排熱で発電する
セメントの主要原料のクリンカーは、石灰石などの原料を1,450度のキルンで焼成して製造される。
排熱発電はセメント製造工程で生じた排熱を利用する発電方式である。同工場の排熱発電設備は、キルンに投入する前に原料を予熱するプレヒーターと、製造されたクリンカーを急冷するクリンカークーラーが排出した熱を活用する。
発電能力12,650KWの新設備により、160万トンのクリンカー生産能力をもつ苅田セメント工場の電力自給率は約40%まで向上する。エネルギー原単位の改善率は約15%となり、エネルギー起源CO2排出量は年間約5万トン、約10%の削減が見込まれている。
(画像はニュースリリースより)
宇部興産株式会社 ニュースリリース
http://www.ube-ind.co.jp/japanese/news/2015/20160107_01.htm