将来の出力制御に向けて
関西電力株式会社は、2016年1月8日、太陽光発電設備の遠隔出力制御と発電量の把握を行うため、太陽光発電の遠隔出力制御実証試験を開始した。
太陽光発電の導入拡大が見込まれる中、同社は、将来的に出力制御が必要となると考えている。現在、発電事業者に出力制御を指示する場合、前日の発電量予測などから制御する電力量を算出しているため、必要以上の電力量を制御することがある。
同社は経済産業省資源エネルギー庁の補助事業「平成26年度補正予算再生可能エネルギー接続保留緊急対応補助事業」にこのたびの実証事業で応募し、補助金交付が決定した2015年6月以降、準備を行っていた。
双方向通信システムを導入
実証事業は、太陽光発電設備の発電出力をリアルタイムに把握し、出力制御の量・時間を遠隔できめ細かく指令することで、必要以上の出力制御を防止することを目指すものである。
経済産業省と早稲田大学が2009年に設立した早稲田大学EMS新宿実証センターに出力制御指令を発信するサーバを設置し、同社の保有する太陽光発電設備6カ所(堺太陽光発電所、若狭おおい太陽光発電所、若狭高浜太陽光発電所、大津変電所屋上の太陽光発電設備、小曽根変電所本館・別館屋上)と双方向通信システムで結び、出力制御を行う。期間は2月中旬までを予定する。
同社は、実証成果から通信方式の有効性や信頼性を評価するなど、再生可能エネルギーを最大限に利用する目的で、出力制御方式の標準化に向けた取り組みを進める方針である。
(画像はプレスリリースより)
関西電力株式会社 プレスリリース
http://www.kepco.co.jp/corporate/pr/2016/0108_1j.html