環境に配慮した撥水加工技術を開発

東レ株式会社は、2016年1月28日、フッ素系化合物を使用しない環境配慮型の撥水加工技術を開発したと発表した。

フッ素系化合物は、繊維製品に撥油性、防汚性、撥水性などの機能性を付与する用途で活用され、最も多用されるのが撥水加工のフッ素系撥水剤である。

しかし、この化合物に含まれるPFOA(パーフルオロオクタン酸)に人体や外部環境に悪影響を及ぼすリスクがあるため、環境保護意識の高い欧米を中心に衣料品に使用しない動きが生まれている。

代替技術の開発とともに、非フッ素系撥水剤への置き換えが進んでいるが、非フッ素系撥水剤を用いた加工には課題がある。初期撥水性能や撥水耐久性の機能が低く、素材の表面に塗布する撥水剤の量を増やすと、素材の風合いや物性を損なってしまう。

同社は、このたび、非フッ素系撥水剤を独自のポリマーブレンド技術で開発し、一本一本の繊維に薬剤を被膜状にコーティングする加工技術を実現した。

この技術は、薬剤が効率的に性能を発揮して撥水機能と耐久性を従来のフッ素系撥水剤と同水準にすると同時に、薬剤の少量化により素材の風合い、物性を保持するというものである。

同社は、スポーツ向けの防水透湿素材や競技用水着素材、高性能撥水と高質感の両立を求めるファッション衣料向け素材にと、新しい撥水加工技術を展開していく考えである。

（画像はプレスリリースより）




東レ株式会社　プレスリリース
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