ローコスト化で導入しやすく
清水建設株式会社は、2016年2月22日、省エネ性と快適性に優れローコスト化を実現する、中小規模オフィス向けの天井輻射空調システム「S-ラジシステム ライト」を開発したと発表した。
建築物の省エネ化・ZEB化が推進される中、エネルギーを効率化する技術として輻射空調システムが期待されている。
同社も、冷温水管を天井パネル裏に設置する天井輻射パネル方式「S-ラジシステム」を2012年に本社ビルに適用するなど、空調技術の開発に取り組んでいる。
今回の新システムは天井面から冷却部を分離・集約したことで、天井輻射パネル方式よりローコスト化した上に、建設費全体の約2%の追加コストで導入可能となった。中小規模オフィスのZEB化を促進することが期待される。
仕組みとメリット
「S-ラジシステム・ライト」の輻射空調システムは、天井内部に設置した冷却装置(チルドビーム)からの冷気の自然対流で天井面を冷却すると共に、天井面の金属製有孔パネルからの冷気も利用している。
空気冷却コイルのチルドビームを通水する約16度の冷水が空気を冷却し、周辺の冷気は約20度となる。天井面30~50平米にチルドビーム1台を配置すると、冷房能力は1平米当たり最大60Wである。
送風機などの空気搬送動力が不要な点は「S-ラジシステム」と同様で、対流式の空調システムより消費エネルギーが低減され、空気のドラフトがないため室内環境の快適性が向上する。
冷水温度も低く、ビル全体では約15%の消費エネルギーの削減効果が生まれる。今後、井水や地中熱などを冷水の生成に活用すればさらなる効果が見込める。
(画像はニュースリリースより)
清水建設株式会社 ニュースリリース
http://www.shimz.co.jp/news_release/2016/2015057.html