用途の多いCO2回収技術
三菱重工業株式会社(以下、三菱重工業)は、2016年4月18日、日本液炭株式会社(以下、日本液炭)の倉敷市・水島工場の液化炭酸ガス製造設備(以下、液炭設備)に設置するCO2回収装置を受注したと発表した。
三菱重工業のCO2回収技術は関西電力株式会社と共同開発した、吸収液(KS-1)を用いて排ガスからCO2を吸収する化学吸収法の「KM CDR Process」で、エネルギー消費量の少なさを特徴とする。
液化炭酸ガス、ドライアイスの製造や尿素、メタノール、ジメチルエーテルの製造に用いる他、火力発電所などでCO2の回収・貯留に、あるいは原油層にCO2を圧入し生産を増加する原油増進回収など、多様な用途をもつ。
三菱重工業は、海外の天然ガス焚きや重油焚きのプラントでCO2回収商用装置11基を稼働させ、世界トップの実績を築いている。
CO2回収能力は283トン
今回、CO2回収装置を発注した日本液炭は、石油化学会社やアンモニアメーカーなどから購入した高濃度の原料炭酸ガスを液化・精製後、液化炭酸ガスやドライアイスを製造して販売する、炭酸ガス関連事業を行っている。
同社は大陽日酸株式会社のグループ企業であるが、同グループが2014年に三菱ケミカルホールディングスグループに加わったことで、関連事業会社と協働している。
水島工場に新設する液炭設備は2017年10月に完成予定で、三菱化学株式会社の水島事業所内から発生する低濃度炭酸ガスのCO2を吸収液で分離・回収し、液化炭酸ガスを製造する。CO2回収能力は1日に283トンを見込む。
三菱重工業株式会社 プレスリリース
http://www.mhi.co.jp/news/story/1604185746.html