電気自動車の普及に貢献
株式会社日立製作所は、電気自動車の走行可能距離を従来の2倍にする高エネルギー密度型リチウムイオン電池技術を開発した。
CO2を排出しない環境対応自動車として期待される電気自動車だが、普及を拡大するには走行距離の伸長が求められる。それを実現する条件は、リチウムイオン電池の高エネルギー密度化、高出力化、長寿命化が必要だ。
今回の技術は、エネルギー密度が従来比の約2.6倍となる335Wh/kg、出力密度は1600W/kgの初期性能を実現し、走行可能距離を約2倍にするもの。
高エネルギー密度型リチウムイオン電池技術
まず、電極の厚さを厚膜化(従来の2倍に)し、充放電できるリチウムイオン量の増加によって高エネルギー密度化を実現した。さらに3次元電極構造可視化の技術を開発して、電極内の活物質を最適化して高出力化を図った。
高エネルギー密度化には、充放電できるリチウムイオン量を増やすためにシリコン系材料を負極材に用いている。これを高強度バインダで電極に密着させて剥離を抑制することで、従来の炭素系材料と同等の長寿命化を可能にした。
エネルギーの高密度化、高出力化、長寿命化の実現で、走行可能距離は従来の2倍に伸長した。日立は今回の技術を用いたリチウムイオン電池を2020年頃までに実用化することを目指している。
(画像はプレスリリースより)
株式会社日立製作所プレスリリース
http://www.hitachi.co.jp/