究極のクリーンエネルギー
川崎重工は純国産の技術となる水素液化システムを開発し、水素液化試験に着手する。
水素は究極のクリーンエネルギーとして期待されている。また、燃料電池自動車の販売が開始されると、その需要は飛躍的に伸びる。大量の水素を市場に導入する場合、輸送システムと貯蔵システムを構築する必要がある。
液化した水素の体積は約800分の1になり、これを蒸発させれば高純度の水素ガスが発生する。同社は、水素の製造から、輸送、貯蔵、利用までの一貫した水素サプライチェーンの構築をするために、インフラ技術の開発、および製品化に取り組んでいる。
水素の大量輸送や貯蔵には不可欠な水素液化システムに加えて、液化水素運搬船、液化水素貯蔵タンク、水素燃料に対応するガスタービンなどを開発、製品化している。
独自技術で開発
開発した水素液化システムは、水素液化機や液化した水素を貯蔵する液化水素貯蔵タンクなどから成る。同社は開発にあたり、独自技術の極低温物質のハンドリング技術と共に、高速回転機械に採用したタービン技術を投入した。
圧縮した常温の水素ガスを冷凍サイクルで冷やした水素と液化機内で熱交換する内に、冷却されて液化水素を製造する。水素液化システムは1日に約5トンの水素を液化する能力をもつ。
今回、同社の播磨工場(兵庫県)内の水素技術実証センターで試運転を行った結果、水素の製造に成功した。
今後は、性能、信頼性、保守性などを性能評価試験で確認し、製品化に向けた技術改良を行うという。さらに大型で効率的な液化システムを実現して、水素エネルギーの普及を目指していく。
(画像はプレスリリースより)
川崎重工株式会社プレスリリース
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